導入事例/出荷ミスがゼロになり、30万円の再配送コストを削減! 導入事例

出荷ミスがゼロになり、30万円の再配送コストを削減!
ホクシン株式会社 様の事例
まずは御社の業務についてお聞かせ下さい。
弊社は大阪府岸和田市にある、家具や住宅の内装・構造用パネルに使用される「MDF(中密度繊維板)」という木質ボードの製造・販売をしている会社です。昭和6(1931)年に創業し、昭和47年に日本で初めてMDFの製造を開始しました。現在は全体(900品目)のうち構造用MDFが15%、残りの85%が家具や住宅の内装建材用の素材として販売しています。
ありがとうございます。現在、i3Handyをトラックへの建材の積込後検品に使って頂いていますが、これは商品特性上の理由からでしょうか?(学研注:通常のEC、卸などの出荷などは、梱包前検品になる事が多い)
はい。扱っている製品の梱包サイズが大きく、短辺0.9mの長辺で1.8m、大きい物では短辺1.2m・長辺4m以上に達するものもあり、それを1m程度まで積み上げたものを梱包しています。重量も1~2トンあり荷物のハンドリングも難しく、倉庫の中で「その日の出荷分」などを事前に荷揃えしておくスペースも十分に確保できません。

弊社が普段自社の業務で扱っているBtoC向け商品と比べると、かなりサイズ感の違いを感じますね…。
そこで商品情報バーコードが付いている出庫伝票を、在庫している梱包毎に1枚貼り付けて保管をしていて、これを作業員が出荷トラックの到着に合わせてフォークリフトで出荷場に運び出し、トラックに積み込みます。
このときにこの出庫伝票を梱包から取り外し、受付窓口にて出荷指示データと対照し、商品の誤りや数が間違っていないかを、i3Handyを使って検品しています。という流れから積込後検品、という形になっています。
見学をさせて頂きましたが、1梱包の出荷単位が大きいなと感じました。
基本的には13.5トンぐらいまで積込可能なトラック、いわゆる増トン車で、12トン分ぐらいの商品を詰んでいます。多少前後しますが、トラック当たり6~10梱包の出荷単位になります。
I3Handy導入前の課題としてはどんなものがございましたか?
出荷ミス(品番間違い)が問題になっていました。
検品する情報は1出荷あたり最多で10品目程度なので、慣れている人が作業すれば1分程度で終わるのですが、見るべき情報が「品番」「等級」「サイズ」「数量」と複数あり、見逃し、見間違いが発生していました。
特に多いのは「品種に特別なアルファベットが1文字入っている、入っていない」という品種違いであったり、外観上同じようなものがあったり…。こういうものだと準備段階から間違いが発生しているわけです。

実際にリカバリーが発生してしまうとどのような形になりますか?
出荷検品の際に間違いに気づくと、再度倉庫に戻って積み替え作業をすることになります。まだ出荷前なので影響は少ないですが、荷締めを外して積み替えて、また荷締めしてチェック、となるとどうしても30分から1時間は荷役時間が余分にかかります。
ただ一番影響が大きいのはお客様側への納品後に間違いが認められたパターンです。「正しい商品を追加で納品する」か「持ち帰って、再度納品する」という対応になり、追加のトラック手配=運賃が掛かってしまいます。
荷物が大きいだけにリカバリー時の運賃だけでも大きそうですが、例えばトラック1台の場合、どれぐらいかかるものなのでしょうか。
ここ(大阪府岸和田市)から東京間を片道運賃約10万円と想定すると、往復で20万円程度になります。さらに遠方であれば金額も大きくなり、往復で30万円以上になる事もあります。月1、2回こういうことがあると仮定すると、年間では何百万にもなりますので、この費用の発生リスクを問題視していました。
今回はそういったシーンでi3Handyをご利用くださっていますが、今はその積み間違えは…
はい。ゼロになりました。伝票は製造時に自動で発行されるので、理論的に伝票の貼り間違いがない限りは、間違いが無くなる事になります。 波はありますが、1日だいたいトラック40台、月800台、年間で1万台分の出荷をしていますので、1%どころか0.1%のミスでも結構な数になります。1回でも出荷ミス起きるとお客様にご迷惑をおかけし、自社としても多くの費用が発生します。色々な対策、注意もするのですが、どうしても人がやる作業ですので、ヒューマンエラーは完全にゼロにはならない、という課題がありました。
i3Handyを導入したことによって確実に出荷ミスをゼロに出来た事が、私どもとしては非常に大きなメリットです。とても助かっています。

ありがとうございます。リカバリーにかかる想定費用が大きいだけに、i3Handyの導入によって出荷ミスゼロの安心が得られる、ということですね。弊社の製品を選んだポイントは何ですか?
I3Handyが、サブスクリプション契約できるサービスであることです。費用面でも、規模的にもマッチしていました。WMSの導入まで考えると時間も費用も掛かりますし、改善テーマとして「誤出荷防止」を優先した、というのが大きなポイントです。実際、WMSであればあの短期間では導入は出来無かったと思いますし(学研注:ホクシン様におかれましては、初回ミーティングから約2ヶ月での導入が出来ました)、実際に使ってみたところでも、ハンディの操作性自体が非常に分かりやすかったのですぐに現場に受け入れて貰えました。
オフラインで出来る点というのも導入しやすかったところだと思っています。倉庫での作業を想定すると、オンラインなら無線LANの設備が必要になるところが問題になっていたと思います。
伝票を並べてピピピピピッ、とバーコードを読み込むという作業になったので、検品時間も半分ぐらいになっています。元が1分なので大きな差ではないのですが、時間を削減した上にミスを防げる、というのがよい所です。
実際、屋外に近い場所でも検品できています。
運用を続けていって良かったなと思った所、今後どうしていきたい、みたいな所は何かありますか?
今回お願いすることになりました基幹システムの売上処理とのEDI連携に発展出来た事ですね。その検品作業の実績を使い、違う改善が出来る点が、今回続けてみてよかった点になります。
夢は大きくですが、今後外部倉庫(パートナー企業)で出荷時にピッと検品をしたら売上が上がる、という所まで出来たら双方で効率化が図れていいですね。企業間で上手く連携出来たらメリットが更に大きくなると思っています。
輸入商品を中心に在庫している外部倉庫の運用には、「全メーカー間でバーコードなどの伝票管理が統一できない」「ロット№の管理データを統一できない」など、別の課題があります。メーカーによっては、「バーコードは付けられません」と断られてしまうケースもあるので…。

ですと、今後ラベラーの機能なんかは是非提案していきたいですね。ハンディの機能と連携して、腰に付けたプリンタからラベルを出力して貼り付ける…なんてことが出来ると良いのではと思います。
フローとしては十分に可能な事だと思います。
実際、トラックへの積み込みが多い御社ですと、2024年問題などもダイレクトに効いてくる所だと思いますが、実際どのあたりが今後の課題として感じていますか?
直近では物流関連2法の改正も成立し、当社も荷主として様々な改善が必要になると考えています。その中でも特に「トラック待機時間の削減」「配送の効率化」は重点的に取り組まなくてはいけません。
今回のi3Handyの導入についても、誤出荷対策により追加で発生していた積込時間やリカバリーの配送を削減できたことから、待機時間の削減と配送のムダを同時に削減出来ました。すごい大きなメリットだと思います。
次に解決すべき課題は、倉庫の分散による複数倉庫での積み込み作業が発生している事です。出荷商品の内訳によっては複数の倉庫を回って順番に積み込む必要があり、荷役時間が大幅に延びる原因となっています。対策としては、「在庫配置の適正化」と「出荷前日の倉庫集約(1か所にまとめる)の改善」を一歩一歩ですが進めています。 今後も継続して改善を進めていきたいと考えています。
我々も物流会社のシステム部門ですから、そういった所でも相談に乗れそうだと思います。今後の製品開発の弾みにもしたいので、タッグを組んでいければと思っております。 ありがとうございました。
ありがとうございました。

関連機能
i3Handy「出荷検品」機能
出荷予定に対して正しく商品と数量を数える機能です。本事例では商品添付の商品コード伝票を読み合わせて対応をしていらっしゃいますが、仮に商品から商品コードラベルを剥がせないケースでも、ハンディに検品機能がビルトインしているので、ハンドリングに優れ、商品の所までハンディを持って行き、商品をスキャンして検品することが出来ます。
使用機能
- 商品検品機能(カスタマイズあり)
カスタマイズ内容:商品ラベル添付の独自形式QRからの「品番」「等級」「サイズ」「数量」一括自動読取対応